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  • 2020.01.23

    【守口・相続セミナーレポート⑫】市街化調整区域の土地の評価について

     

    前回までのあらすじ

    相続について学ぼうと守口市の「不動産相続の相談窓口」が行う 相続セミナーへやってきた財子とラッキー。

    いよいよステップ3に入り折り返し地点に。

    財子―守口市在住。友達から親の相続についての話しを聞き、 自分でも学んでみようを思い相続セミナーへ。

    両親は現在二人とも健在。

    ラッキー―財子にアドバイスをするべくどこからともなく現れた 謎のキャラクター。相続セミナーについてなぜか詳しい

    先生―相続セミナーの先生であり「不動産相続の相談窓口」の方。

    財子やラッキーに相続についてのいろいろを教えてくれる。

    ※記事の性質上、対話形式に進めておりますが実際の勉強会では 質問はもちろんOKですが私語はご遠慮下さいませ…。

     

    市街化調整区域の土地の評価方法

    先生「では続きまして市街化調整区域の土地の評価方法についてです」

    財子「むむむ、なんか難しくなってきた~笑」

    先生「まぁ、そう言わず頑張りましょう…。まず、評価倍率表についてです」

    ラッキー「ヒョウカバイリツヒョウ?」

    先生「路線価の定められていない地域の土地を評価するときに用いる、固定資産税評価額に倍率を乗じて評価するものです」

    財子「ん…チョットヨクワカラナイ…」

     

    評価倍率表とはどんなもの?

     

    先生「ひとつずつ説明してまいりますね。

    まず路線価がない地域というのがあるんです。基本的には市街化調整区域というのが該当します。

    市街化調整区域は建物が建てられずに山や畑が多い地域になりますので道路が少なくて路線価が

    設定できない地域になるんです。」

    財子「そんな風になるんだね。そういうときに用いるものなんだ?」

    先生「そうなんです。そういった場合に活躍するのが評価倍率表です」

    先生「例えば、こんな感じです。こちらは現況で何に使われているかで判断していくのですが、

    固定資産税評価額に各々の現況地目の倍率を乗じて相続税評価額を計算します」

    財子「ちゃんと倍率を書いてくれてるのね」

     

    固定資産税がい≠相続税評価が低い

     

    先生「山林や畑、田んぼなどをお持ちの方は固定資産税が低いので相続税も大したことないと

    思っている方が多いですよね」

    財子「違うの?」

    先生「確かに固定資産税評価額は安いと思います。例えば固定資産評価額が30万円、

    固定資産税は固定資産税評価額の1.4パーセントなので約4000円という山林を所有している場合の話です。

    その山林の倍率が49倍だと相続税評価額は固定資産税評価額30万円の49倍なので約1500万円となります。

    なので調整区域等でこのように活用度合いが低くても相続税評価は高いことがあるので

    気を付けなければなりません」

     

     

    【居住用】小規模宅地の特例

    先生「次に評価を下げられる特例や補正についてのご説明です」

    ラッキー「どんなパターンがあるの?」

    先生「例えば居住用の小規模宅地の特例です、被相続人の配偶者または同居していた親族等が取得し、

    引き続きそこに住むなど一定の要件を満たす場合はその宅地を取得した配偶者、または同居していた

    親族は330㎡の部分まで80パーセントを減額することができるのです」

    財子「引き続き住むのね」

    先生「そうです。極端な例ですが先ほどの銀座4丁目の路線価上に土地を持っていたとすると一坪あたり約1億3000万円なので10坪もっていれば通常13億円になります。それに対して相続税の評価をすると壮大な金額になって家も持てない状況になってしまします。

    そのため相続税評価をするためにいくつかの特例を設けています。

    その一つが居住用小規模宅地の特例。

    330㎡を坪数にすると100坪になりますので100坪分の80パーセントを減額できることになります」

    財子「へー!じゃあだいぶ安くなるね。それは嬉しい♪」

     

    自宅として使うのが大前提!

     

    先生「ちなみにこの特例はあくまで【自宅として使う】ことが大原則になります。特に評価の高い都内の

    不動産が実家という場合等はこの特例が使えるか使えないかで相続税が大きく違ってきます」

    財子「そうだよね、これがさっきの銀座の物件だとすると…」

    先生「そして原則として【被相続人の配偶者か、同居していた親族が住む】ことです。

    相続人が配偶者であれば特例を使うことができますが例えばお子様が相続する場合でお子様が持ち家を

    持っているとこの特例は使えないことになっております。」

    ラッキー「あくまで居住用として利用するのが大前提なんだね」

     

    【貸付用】小規模宅地の特例

     

    先生「続いて【貸付用】の小規模宅地の特例についてです。

    ・アパート・駐車場など貸付事業用の土地

    ・被相続人の親族が相談

    ・申告まで事業を継続している

    ・相当な対価を得て継続的に行っている

    ・構築物がある

    以上の場合は200㎡の部分まで50パーセントを減額されます」

    財子「居住用じゃなくても特例が適用する場合があるんだね」

    先生「そうなんです。実はこの特例は平成30年4月から少し厳しくなりました。

    それまでは所有者が亡くなりそうな土地を無理やり誰かに貸して、貸付事業用地の要件を満たして

    評価を下げるという対策を取ることが結構ありました」

    ラッキー「そうか、ある程度は事前に対策取れちゃうもんね…」

    先生「なので【亡くなる3年以上前から事業をやっていること】が要件となり、規定が厳しくなりました」

    財子「なるほど…仕方がないっちゃ仕方ない…」

    先生「ただし場合によってはほかに貸付事業をやっている場合には3年以内でも認められる場合があります」

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