LHnews/ 相続ニュース

  • 2020.01.27

    【守口・相続セミナーレポート⑬】さまざまな土地の評価

     

     

    前回までのあらすじ

     

    相続について学ぼうと守口市の「不動産相続の相談窓口」が行う 相続セミナーへやってきた財子とラッキー。

    いよいよステップ3に入り折り返し地点に。

    現在は資産となる不動案の相続評価について。

    少し難しいがわかればモノになるので頑張って勉強中。

    財子―守口市在住。友達から親の相続についての話しを聞き、 自分でも学んでみようを思い相続セミナーへ。

    両親は現在二人とも健在。

    ラッキー―財子にアドバイスをするべくどこからともなく現れた 謎のキャラクター。相続セミナーについてなぜか詳しい

    先生―相続セミナーの先生であり「不動産相続の相談窓口」の方。

    財子やラッキーに相続についてのいろいろを教えてくれる。

    ※記事の性質上、対話形式に進めておりますが実際の勉強会では 質問はもちろんOKですが私語はご遠慮下さいませ…。

     

    不整形地とはどんなもの?

    先生「相続評価を下げられる特例としては居住用や貸付用以外にも例があります。まずは不整形地の路線価からの評価方法です」

    財子「不整形地ってなに?」

    先生「土地を正方形や長方形にきれいに整えられていなくて、土地利用が難しい形状をしている土地の事を一般的に不整形地と呼びます。 財産評価においては 土地としての利用価値が低く評価額も低く見積もられることが多いです。不動産の評価として路線価評価は原則、整形地を基準として作っております」

     

    不整形地の評価方法

     

    先生「例えば、同じ100㎡の土地でも整形地と不整形地とでは同じ価値にはならないですよね?」

    ラッキー「そうだねー…」

    先生「国税庁の原則は時価評価となっていますが、時価評価ではわかりにくいため路線価を使います。そうすると本来なら同じ面積の土地でも価値が一緒ではないため価値が下がる土地は相続の評価を下げます。」

    財子「そうか、まぁイコールにはならないもんね」

    先生「例えばゆがんだ変形した土地の場合、同じ面積の整形地の評価とは異なるため、土地ひとつひとつの評価を変えなければなりません。これが結構難しいです」

     

    日本には整形地のほうが少ない!?

     

    先生「日本国内にある不動産のうち整形地のほうが実は少なく、区画整理された分譲地等一部ありますが、実は変形した不整形地のほうが多いのが実態なんです」

    財子「ええ!そうなんだ!?」

    先生「こういった不整形地の評価を下げる方法がかなり複雑で、これが税理士さんはわからないケースが多いです。評価が難しく、時価評価で大きく乖離がある場合はそれだけの補正をしなければなりません。この補正の割合や方法が分かりづらく、場合によってこの評価を不動産鑑定士に依頼するケースもあります」

    ラッキー「税理士さんのわかる範囲外もあるもんね」

     

    現地調査でしかわからない土地

    先生「あとは【現地調査でしかわからない土地】です」

    財子「どういうこと?」

    先生「傾斜地や高低差がある土地、前面道路の幅員が4m以下の土地は評価を下げなければならなのです」

    財子「ふむ…?くわしく」

    先生「例えば傾斜地だと実際に使える面積は小さくなってしまいます。そういう時は傾斜している部分がどれくらいかによって評価を下げるんです。本当にざっくりいうと7掛けくらいになることもあります」

    ラッキー「そんなに!?」

    先生「該当地が傾斜地であったり、高低差があるというのは現地に行かなければ分かりません。しかし多くの税理士は現地に行っても不動産のことがわからないので現地調査に行かず地図や登記簿等の書類調査だけで評価します。」

     

    前面道路の幅員も要注意!

     

    先生「あと前面道路の幅員も影響します」

    財子「どれくらい?」

    先生「例えば土地の前面道路の幅が2mしかない場合。道路が4m未満の道路に接道している土地に建物を建てる場合は道路の中心線から2m下がり、この範囲で家を建てることが建築基準法で決まっています。道路が狭く緊急車両が通ることが出来ずに被害が拡大することを抑えるためにセットバックする規定を設けてあり、いずれ建て替えで道路が広くなっていくと4mの幅を確保できるようになります」

    ラッキー「狭い道は火事とか起こった時怖いもんね」

    先生「というわけでこのような道路幅が4m未満の土地は家を建てられない部分が出てきますので価値が低いです。実際、面積がこれだけあったとしてもこの部分は建物が建てられないんですから。当然評価も変えなければならないのですがこれも現地に行かないとわからないんです。道路が何メートルあるか、認定道路か、幅員は何mかを役所も含めて調査しなければならないんです」

    財子「それも実際行ってみないとわからないことだね」

    先生「そうなんです。法務局に収められてる公図を見て調べるケースがあるんですが、やはり現地に行かなければ寸法までは分かりません。しかし税理士はあまりこういうことをやらずに評価してしまいます。「相続のことが詳しくない税理士が相続税の計算をすると税金が高い」というのはこういうことなんです」

     

    地積規模の大きな土地の評価

     

    先生「あとは地積規模の大きな宅地の評価についてです」

    財子「地積規模?」

    先生「これは新しくできた特例です。三大都市圏において500㎡以上の地籍の宅地、三大都市圏以外の地域においては1000㎡以上の地積の宅地を地積規模の大きな宅地の評価として評価を変えなければいけません」

    ラッキー「500㎡とか1000㎡とか…相当大きな面積だね!」

    先生「そうですね、こういったことは不動産業者であれば当たり前にやっている事ですが税理士は詳しくないことがあるため、評価を誤って出すケースが多いんです。」

    ラッキー「何事も餅は餅屋に、だね」

     

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