LHnews/ 相続ニュース
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2020.02.21
【守口・相続セミナーレポート⑯】不良不動産のトラブルを解決しよう!
目次
・ 前回までのあらすじ
・「筆界未定」の土地
・売却できない土地でも税金は発生します
・解決までの道のり
・評価と売却額のギャップが激しい物件
・所有者が元気なうちに処分することで解決
・トラブルを解決することが価値を上げる!相続について学ぼうと守口市の「不動産相続の相談窓口」が行う 相続セミナーへやってきた財子とラッキー。
いよいよステップ3に入り折り返し地点に。
不良不動産とはどういうものかを勉強中。
財子―守口市在住。友達から親の相続についての話しを聞き、 自分でも学んでみようを思い相続セミナーへ。
両親は現在二人とも健在。
ラッキー―財子にアドバイスをするべくどこからともなく現れた 謎のキャラクター。相続セミナーについてなぜか詳しい
先生―相続セミナーの先生であり「不動産相続の相談窓口」の方。
財子やラッキーに相続についてのいろいろを教えてくれる。
「筆界未定」の土地
先生「では、実際に不良不動産の事例を紹介しますね」
財子「はい!」
先生「こちらの物件は住宅地にあるのですが林のような形をしています」
ラッキー「ちょっと細長い感じだね?」
先生「本来不動産というのは一つの区画に地番があるんです。ところがここの土地はこの区画の中に8つの地番が入っています」
財子「8つも?」
先生「どういうことかと言うと、個々の土地の中でこの8つの土地が入っているんですがその境が決まっていません」
ラッキー「そんなことあるんだ!?」
先生「このようなことを『筆界未定』と呼びます。これら一つ一つの筆の境が決まっていません。実はこういう土地も結構あるんです。おそらく地主さんたちが集まって話し合ったが揉めて境界が決まらずそのままになったのだと思います」
売却できない土地でも税金は発生します
先生「私の相談者の方がこのうち4つの土地を相続していたのですが、その4つの土地がどこにあるか特定できない状態にありました。この中のどこかにあるという状態なので売却できないのです」
ラッキー「それは困るね…!」
先生「そうなんです。しかしその状態でも今も固定資産税を払っていました」
財子「そうなんだ!」
解決までの道のり
先生「この場合、これらの土地がどこにあるか特定できないというだけで、その分の不動産の評価は一応ありますので相続税はかかります。本来ならば評価するときには昔の旧公図等いろいろなものも調べて登記が残っていました。しかしここの地主さん全員が代替わりしていたため問い合わせたところ全員が筆界特定を許可され結果的にはこのように筆界が確定されました」
財子「か、確定されたのならよかったんだよね」
先生「何を基に分けたのかというと昔の土地の旧公図を基に筆界を特定しました。昔の旧公図は法務局に集められていますが法務局がなかったころは地主さんが自分の土地だけは分かるよう昔の筆みたいなもので特定できるよう書いてありました。その資料がおおもとになっていて、図主さんの蔵や場合によっては役所等に収められています。そしてその資料を調査し割り出して作成。土地所有者に合意を取って確定したそうです」
評価と売却額のギャップが激しい物件
先生「そして次。こちらは10戸の貸家が建っているのですがそのうち人が住んでいるのは2戸で8戸は完全に廃墟状態です。ガラスは割られているし中に動物が住みついてました。ゴミ屋敷のようなすごい状態です」
財子「ここまでなってるのはあまり見かけないね…」
先生「しかしこれでも相続税上の評価は約2000万円です。結果的に売却したのですが売却額は400万円です。相続税上の評価で建物がぼろぼろになっていようが動物が住み着いていようが変わりません」
財子「へ、へぇ…そうなんだ」
所有者が元気なうちに処分することで解決
先生「ところが実際の価値からするとその価格ではこの物件を売れないですよね。購入しても全部解体しなければなりません。また中途半端に家賃1万5000円で2世帯が入居していました。今回の場合、一応売却はできましたが相続税評価をよりはるかに安い400万円です。しかし相続が発生していれば評価の2000万円に対して相続税を払わなければなりません」
ラッキー「えええ!!困る!」
先生「そうなんです。こんな価値のないものに税金なんか払っていられないよと言うような話を息子さんから聞き、所有者であるお父さんが元気なうちに処分しましょうとお話しして処分しました。結果的に現金400万円になってということですね。これも相続対策の一つです」
トラブルを解決することが価値を上げる!
先生「以上のような不動産のトラブルは時間が長引けば長引くほど解決が難しくなります」
ラッキー「む…確かに」
先生「トラブルを解決することこそが不動産の「価値」を上げることになります不動産の価値を上げるということも実は相続対策の中で重要なことになります」